【改革の歩み—第22話】
改革はクライマックス


 

  皆さん、こんにちは。
  公益社団法人東京都柔道整復師会会長の工藤鉄男です。

  さて、今年も12月となり年末も押し迫って参りましたが、今、柔整業界が進めている改革につきましては、いよいよギアをトップに入れ、仕上げの段階へと進みつつあります。そして、今回の柔整改革において最重要課題の一つとして取り組んで参りました「公益法人改革」についても、11月末日をもって移行申請期限を迎えました。
  我が東京都をはじめ日整傘下の47都道府県社団では、各県執行部の努力の末、現時点で38都道府県が見事に公益社団法人に認定され、残る6県も既に移行申請を済ませていると聞いております、近々朗報がもたらされるものと確信をしています。この「公益認定」は、柔整業界が次のステップに進む為には最大の鍵となることは間違いありません。
  今、日本は、世界的にも例がないほど急速に進む少子高齢化から、人口構造にも変動が起こり、経済においても20年以上のデフレ不景気が続いたため、高齢者を支えるはずの若者さえもが生活を安定できぬまま弱者の側に回り、社会を保つ基盤そのものが大きく揺らぎ、国家として国民の生命と健康を守る為に最も根本的な「社会保障制度」自体が崩壊の危機にあります。
  そこで、国は 政権交代後、すぐに景気回復への起爆剤として掲げたアベノミクスを進める一方で、消費税を増税させ、社会保障にあてる「社会保障と税の一体改革」を進めています。
  そして、我が柔整業界の制度改革に於いても、我々が目指す「国民のための正しい制度運用」を実現させるためには、制度理念の中心軸にある「公益」を未来にもつなげられる「信頼の絆」として、あらためて構築し直す必要があります。そのためには、改革に何が必要なのか?という部分について、誰が見ても理解できる明確なデータによって裏付けを示さなければなりません。そこで、今回は当会の広報誌『コンパス』28号の巻頭特集に於いて、昭和63年から平成24年までの25年間の柔整療養費について、社団日整の保有する統計から検証し、これまで曖昧だった認識を明確な数値データとして把握し公開することができました。特集内容では、この四半世紀の間、社団は請求件数や請求金額を見事なまでに管理統括し得る公益性を持った組織であること、また、誰も管理統括しない個人契約者については、その数、請求件数、請求金額のすべてが爆発的に増加の一途をたどり、既に厚労省に於いても管理不能の状態となっていることを明確にすることもできました。
  今後は、在宅医療や災害時やスポーツ等での救護等に於いて、これまで以上に医師会の活動に協力補佐し、地域貢献への期待が高まっている我が柔整業界は、現在、各地域の接骨院に於いて、年間に延べ約5000万人の国民が受領委任という制度を利用されているという事実からも、今後も各地域住民・国民が安心して外傷の手当を受けられる環境および制度の維持管理は、患者である国民だけでなく、国にとっても、保険者にとっても必須です。そして、何よりも、この制度を今後の未来の日本に於いても維持し、国民のために機能させるには、自らの利益を優先させず、国民の利益を優先させ、業界をぶれる事なくしっかりと管理する必要があります。そして、それには統計値からも見事に管理可能な実績を証明した「公益社団法人」が必須となる筈です。
  私益でバラバラになった業界を正しくまとめあげ、国民の利益に正しくつなげるため、いま国が迫られている社会保障制度改革に対する柔整業界からの確実な答えが、柔整療養費の「受領委任」の「協定の見直し」にあります。
  仕組みや制度が混乱した時、その背景には元々存在している「国民のため」や「公益」という部分こそ視点を戻し、現代の複雑化した環境下に適合する、新たな視点から、新たな「協定」を締結する必要性があると思っています。
  さあ、ここからが柔整業界改革のクライマックスです。今後もぶれる事なく、未来の柔整業界の進むべき方向を正しく見据えて「新協定」を結び直し、日本という国の復活に柔整業界も貢献しなければなりません。
  日整をはじめ、公益社団法人になった都道府県社団が中心になって、日本中の柔道整復師をまとめあげ、国益につなげる為、力強く・確実に「歩み」を進めます。会員、そして柔道整復師だけでなく、患者さんの期待に添えるよう更に邁進して参ります。
  今後とも、皆様のご理解・ご協力のほど、心よりお願い申し上げます。
  ありがとうございました。