【改革の歩み—第12話】
「自立した老後」の実現に向けて


 

 こんにちは、公益社団法人 東京都柔道整復師会 会長の工藤鉄男です。

  去る9月1日、日本全体の柔整師会を統括する「日本柔道整復師会」が総務省より認定を受け、晴れて「公益社団法人」になったことをご報告するとともに、ご尽力いただいた関係各位には深く感謝申し上げます。
 これで、柔整業界には大阪・東京と併せて3つの公益社団法人が認定された訳ですが、これから移行認定を行う各県社団に於かれましては、是非ともそれぞれの公益目的事業の特性をフルに活用して頂きたいと思います。
 さて、日本は今、他の国に例のない程に急速な少子高齢化を体験しています。また、世界的規模での経済不況・円高等の影響を受けて国民間に大きな格差が生じるなど、幾重にも重なった苦難に遭遇しています。さらには、東日本大震災が発生し、復興に要する時間・人材・財源の確保のために、国全体が、これまでの制度や仕組み自体を根底から見直さねばならない状況にあることは、皆さんもご承知の通りです。
 こうした状況の中で、今、国では、医療費を含めた「社会保障費」の無駄の削減や財源となる「税」の負担やその分担についての検討が始まっています。
 少子高齢化の問題は、税を収める若い世代の人口が減少する一方で、現役から退いた高齢者が増え、必要な医療費が増大するという国民の人口バランスの崩れが最大の原因となっていますが、こうした社会を背景とした時、我々柔道整復師には一体何ができるのかを真剣に考えたいと思っています。
 我々は怪我を治すという手技をベースにして、地域社会へ貢献するために公益社団法人の認定を受けました。つまり社会貢献は我々の使命です。少子高齢化や社会保障費への検討は国が対応すべき問題だと黙って傍観している訳にはいきません。
 例えば、少子化に対しましては、「中学校の武道指導等で健全な精神の育成」に寄与するため、東京都の教育庁とも話し合い、来年の実施へのテストケースは既にスタートしています。また、小学生の健全な体を保持するための「歩行指導」も合わせて行なっています。
 そして、高齢化に対しては、地域行政と連携して、お年寄りが要介護状態とならないようにするための「転倒予防」や「機能訓練」等を行なっています。
 さらには、こうした取り組みを通じて健康な高齢者を増やし、働ける現役人口年齢を伸ばし、納税可能な高齢者を増やす環境構築へ協力することで、支えられるだけの老後から「自立する老後」や「社会を支える老後」をも実現できるような下地を作ることさえも我々には可能だと信じています。そうしたすべての取り組みは、国全体の「社会保障費」を必ずや低減する事につながる筈です。今後、変化せざるを得ない日本という国に対し、柔道整復師が直接、積極的に何ができるのか。それを自ら提案していきたいと考えています。これからも皆さん方のご意見に真摯に耳を傾け、開かれた会の運営を続けてまいります。
変わらぬご指導の程、宜しくお願いを致します。