【改革の歩みー第8話】
「さらなる夢の実現に向けて」


 

  みなさん、こんにちは。東京都柔道整復師会会長の工藤鉄男です。 外傷に関わる日本現代医学は、明治33年に「整形外科」という名称の初見から急激な発展を遂げ、その創設から約100年の時を刻んでいます。そして我々「柔道接骨」の起源は、1200年前までさかのぼれ、現在の医療の法体系等が、確立される遥か以前から、国民のケガへの対応に深く関わり、永く国民大衆からの信頼を得られてきたからこそ、現在にまで脈々と受け継がれてきたという事実は、何人たりとも否定できるものではありません。

  しかし、昨今では不祥事が続き、メディアでも報道され、その信頼が揺らぎつつあります。そして、ついには昨年11月の事業仕分けで「柔整療養費」が対象となり、各都道府県での平均請求部位が4倍にも及ぶ地域格差は不自然であり、多部位請求は不正の疑念をぬぐいきれないと、強烈な指摘を受けました。

  そのことへの回答とも言うべき療養費改定が6月に行われました。その内容については、すでにご報告した通り「0%」改定というものですが、疑念視された請求部位数の多い者にはマイナスとなり、真面目に施術している多くの柔道整復師にはむしろ手厚い改定になるという、社会的にも評価を得られる結果になったのではないかと思います。

 それは、現在の「医療費削減」という大きな流れの中で、社団日整が単純に「多部位=不正」ではなく、柔整の施術において「ケガに対する治療には部位別の対応が必要である」との説明を懸命に行い、最終的に十分な理解を得られたからこその結果と言えます。

  しかし、改定後に日本各地を訪問し様々な意見に触れましたが、今回の療養費改定を曲解し、国民の声に全く耳を貸さずに、あまりに身勝手な話を平然と する者が、情報や知識の不足した者の多い個人契約者だけでなく、社団の中にも居ると聞き、非常に危険なものを感じました。

 生存競争の中で短期的な功利主義におちいり、個々が目先の損得ばかりを追いかけていたのでは、業界が将来へ向けた進むべき方向を誤ってしまうことになります。

 先の7月の参議院選挙の結果からも、時代は今、不正・無駄・不透明さを嫌い、公開で行った事業仕分けの透明さに大きな評価を下す一方で、公約を守らない違反者や個人の利益ばかり優先する者へは厳しい判断をも下すという方向性がはっきりと見えています。

 さて、我が社団は、47都道府県で十分な請求適正化の指導を行っていますが、一方で各行政による個人の柔道整復師への指導監督は十分ではなく、今後は更なる指導強化の方向性を示す必要があると思われます。

 そして柔整業界の存続をかけて、自浄力を高め、行政および保険者など関係機関に積極的に働きかけ、更に話し合う必要があると考えています。

 また、公益社団法人の認定取得につきましては、まさに今、執行部が大変な苦労の中、取り組んでいますが、それぞれの地域の社団会員の皆さんのご理解ご協力によって、是が非でもこれを実現し、本来、公益社団のみに許される「協定」を堅持し、受領委任の正しい仕組みを次の世代へつなげていきたいと考えています。

  国民の意識が不透明さを嫌い、「日本国」自体の再生へと大変動を始めた今、柔道整復師業界にもこれまでにない変化が求められています。そして更に、これまで以上の「公開性」や「コンプライアンス」、そして何よりも公益の基となる「社会貢献」が求められていることを忘れてはなりません。どうか皆さんのご理解ご協力をお願い申し上げます。