【改革の歩みー第5話】
「今こそ試すべきこと」


 皆様、こんにちは。東京都柔道整復師会会長の工藤鉄男です。

 現在、業界を挙げて「公益認定」という大きなハードルに立ち向かっています。今、社団が改めて公益認定を受ける必要に迫られているのは、ただ一点、「受領委任払い制度を守る」ためです。なぜ、我々がこの受領委任払いを利用できるようになったのか、その経緯は、当時、なかなか進まなかった健康保険制度の定着に協力し、ただ地域の人々の利便性だけを思い、公益精神を貫いた、先人の懸命な努力によるものです。また、この受領委任払い制度そのものは、患者さんのための制度であって、我々柔道整復師のためのものではありません。それは、接骨院・整骨院で安価で安心安全な施術を受けることが出来るように、公益性を考慮して患者さんを守るために許されたものなのです。

 さて先般、国民医療費が34兆円を越えたと発表されましたが、仮に、柔道整復師の扱う療養費を医科に換算すれば、この数字は遥かに大きくなります。こうした「医療費軽減」という観点から、また、我々の施術を必要としている患者さんに多大なご迷惑をかけない為にも、公益認定を受ける必要があります。社団では、この問題へ全力を挙げて対応し、必ずや良い結果を出したいと考えています。

 また、我が業界の緊急課題である個人契約者の急増や、組織率と資質の低下、また情報不足などによる認識・判断・倫理観の欠如によって発生している療養費の不正請求問題等へも、この公益法人改革への対応を軸として、幾つかの解決策を同時に進めています。それは、公益性がある組織だからこそ認められてきた受領委任払いという仕組みの原点回帰に他なりません。この原点回帰を元にして、営利最優先で不正を働く個人契約者との明確な差別化を図ることも可能になると思っています。社会から認められ求められる業界となるためにも、いま正に業界が自らを律し自浄努力をするべき時なのです。

 そして、柔整学の構築を目指した教育研究機関の設立や、医師会との連携を深めてメタボリックシンドロームや認知症への対応・指導、また介護予防・地域支援事業なども進めなければなりません。これらには社団の柔道整復師会という、社会から認められ業界を代表する組織の必要性とネットワークの活用が求められます。他を蹴落とす「引き算」ではなく、お互いに助け合う「足し算」の業界を実現するため、力を集結できる組織造りを進めて参ります。

 最後に、先の衆議院選挙では、我が業界が応援してきた自民党には厳しい結果が出ましたが、今後も当業界を理解して頂くための努力と協力を懸命にして参ります。そして、新しく誕生した民主党政権への対応の遅れを心配される会員もいるかと思いますが、例えどの政権であっても、我々は、我々を必要として下さる患者さんを守るために、懸命に協議をしていく姿勢は、これまでと何も変わりません。また、そのような事態への対策も既に十分備えておりますので、心配は無用です。今後ともご理解ご協力の程、宜しくお願い致します。